トラックスケールとは

物流や廃棄物処理など、多くの業界で重量物の正確な計量は事業の根幹です。これを支えるのが「トラックスケール」ですが、その種類、価格、法律による規制など、導入前に知るべき点は多岐にわたります。
「どの種類が自社に合うのか?」「費用はどれくらいか?」「法的な検査とは?」
本記事では、これらの疑問に対し、専門家が基礎知識から選び方、価格、法規制、メンテナンスまでを網羅的に解説します。最適な一台を見つけるためのガイドとしてご活用ください。

トラックスケールとは?

トラックスケールの定義と役割

トラックスケールとは、トラックなどの車両を荷物ごと計量するための大型計量器です。
古くは「台貫(だいかん)」とも呼ばれます。
主な役割は、荷物を積んだ状態(総重量)と空の状態(空車重量)の差から、積荷の正味重量を正確に算出することです。
これにより、砂利やスクラップなど、個別計量が難しいものの重量を効率的に把握できます。

トラックスケールの基本的な仕組み

現在主流の「ロードセル式」は、電気信号で重量を測定します。主に以下の3要素で構成されます。

・計量台(Weighing Platform)
車両が直接乗り入れる、頑丈な鋼鉄製の「お皿」部分です。

・ロードセル(Load Cell)
計量台の下に設置された高精度の重量センサーです。車両の重みで生じる歪みを電気信号に変換します 4。この技術が現代のトラックスケールの高精度を支えています。

・指示計(Indicator)
ロードセルからの信号を重量としてデジタル表示する装置です。伝票発行やPCとのデータ連携など、業務効率化に貢献する機能を持つモデルもあります。
これら3つの連携により、数十トンの重量を迅速かつ精密に測定します。

トラックスケールが必要な理由

1. 公正な取引・証明
最も重要な用途が、計量法に基づく「取引」と「証明」です。
金属スクラップの買取、砕石の販売、産廃処理料の算出など、重量で金銭のやり取りが決まる場面が「取引」に該当します。
また、計量結果を公に表明する「証明」行為もあります。これらの行為では計量結果が契約内容を左右するため、計量法で定められた「検定付き」のトラックスケールを使用することが義務付けられています。

2. 過積載の防止
安全確保と法令遵守の観点から、過積載の防止も重要な役割です。
「過積載」は制動距離の伸長や横転リスクを高め、重大事故に直結します。
また、道路や橋梁を傷める原因にもなります。
道路交通法ではドライバーだけでなく荷主にも罰則が科されるため、出荷前の重量チェックは企業の社会的責任です。主要な国道や物流センターにトラックスケールが設置されているのは、この過積載を未然に防ぐためです。

3. 業務効率化(在庫・工程管理)
社内の業務プロセス効率化にも活用されます。例えば、原材料や製品の在庫を重量で正確に管理したり、建設現場の土砂搬出量を把握したり、計量データをシステム連携させて伝票作成を自動化したりといった用途です。このように、トラックスケールは取引の公正性、安全性、業務効率という事業の根幹を支えます。用途が法的な「取引・証明」か、社内管理かで求められるスケールが異なる点を理解することが、機種選定の第一歩です。

トラックスケールの種類と自社に合った選び方

設置方法による分類①:埋込式(ピットタイプ)
地中にピットを造成し、本体を設置するタイプです。計量台と地面がフラットになるのが特徴です。

・メリット:スロープが不要で省スペースなため、敷地に余裕がない場所に最適です。車両の進入もスムーズで安全です。

・デメリット:ピット造成のための基礎工事費が非常に高額になります。また、ピット内にゴミや雨水が溜まりやすく、清掃に手間がかかる上、ロードセルの水没による故障リスクもあります。

設置方法による分類②:地上式(ピットレスタイプ)
地上の基礎の上に本体を設置するタイプで、乗り降りのためのスロープが必要です。

・メリット:ピットが不要なため基礎工事費を抑えられ、スケール下回りの清掃や点検も容易です。水はけが良く、水没リスクも低いです。

・デメリット:本体に加えて前後のスロープ部分も必要になるため、広大な設置スペースが求められます。

設置方法による分類③:ポータブル式(可搬式)
基礎工事が不要で、固く平坦な地面ならどこでも使用できるタイプです。

・メリット:基礎工事が不要なため、初期費用と導入時間を劇的に削減できます。計量場所を自由に変更でき、使用しない時は保管できるため省スペースです。

・デメリット:設置面の状態によって精度が影響を受ける可能性があります。また、検定に対応していない製品も多く、その場合は公式な取引・証明には使用できません。主に過積載の自主チェックや内部管理用途に適しています。
この他に、ピットを浅くしたりスロープを短くできる「超薄型タイプ」や、危険な場所で使える「耐圧防爆型」などもあります。専門業者に相談し、最適な提案を受けましょう。

トラックスケールの価格相場と導入コスト

価格を左右する主な要因
本体価格は主に以下の4要素で決まります。
・ひょう量(最大計量能力):計量できる最大重量。大きいほど高価になります。
・本体型式:一般的に「埋込式 > 地上式 > ポータブル式」の順で高価です。
・サイズ(載台寸法):計量台が長いほど価格は上昇します。
・付属機能・オプション:データ処理システムなど、高機能になるほど価格は上がります。

価格帯の目安
・ポータブル式:約100万円~500万円程度が中心です。弊社のPTSシリーズには約100万円から導入可能なモデルもあります。
・設置型(地上式・埋込式):本体だけで数百万円からとなり、機能によっては1,000万円を超えることもあります。建設現場や物流倉庫向けでは数百万円~数千万円が相場です。

最も重要なのは「総導入コスト」という視点
重要なのは、本体価格だけで判断しないことです。特に設置型の場合、本体価格に加えて高額な「基礎工事費」が発生します。この工事費は数百万円に及ぶこともあり、総導入コストは「本体価格 +
基礎工事費」で考える必要があります。基礎工事が不要なポータブル式は、この総導入コストの観点から見ると非常に経済的です。この視点は、賢い機種選定の重要なポイントです。

トラックスケールに関わる法律と「検定・検査」

1. 検定(Verification)
「検定」とは、新品または修理後のトラックスケールが、国の技術基準に適合するかを確認する公式試験です
。構造や誤差(器差)が厳しい「検定公差」の範囲内か検査され、合格した計量器には「検定証印」が付与されます。この証印がないスケールを取引・証明に使うことは計量法で禁止されています。

2. 定期検査(Periodic Inspection)
使用中のトラックスケールの精度を維持するため、2年に1回の「定期検査」が法的に義務付けられています。検査は各自治体の計量検定所などが実施し、通常は通知ハガキが届きます。検査では、検定時より緩和された「使用公差」という基準で精度がチェックされ、合格すれば継続して使用できます。

3. 代検査(Substitute Inspection)
自治体の定期検査は平日日中が多いため、業務への影響を避けたい事業者向けに「代検査」制度があります。これは国家資格を持つ「計量士」が自治体に代わって検査を行うものです。最大のメリットは、土日や夜間など、企業の都合に合わせて柔軟にスケジュールを組める点です。計量士が検査・報告することで、正式な定期検査と見なされます。導入時の「検定」と2年ごとの「定期検査(または代検査)」の遵守は、事業の信頼性を保つ上で不可欠です。

トラックスケールの日常メンテナンスと注意点

最も重要なメンテナンスは「正しい使い方」
トラックスケールを長持ちさせる秘訣は、専門的なメンテナンス以上に日々の「正しい使い方」にあります。心臓部であるロードセルは垂直方向の荷重を精密に測るよう設計されており、急ブレーキや急ハンドルによる横方向の力は故障の最大原因です。高額な修理費を避けるためにも、「ゆっくり、まっすぐ乗り降りし、計量台上では急な操作をしない」ことが最も効果的なメンテナンスです。

ユーザーができる日常的な点検・メンテナンス
正しい使い方に加え、月に1回程度の自主点検も有効です
・清掃:計量台の隙間や下回りのゴミ・泥は、正確な計量を妨げるため定期的に除去します。

・排水の確認(特に埋込式):ピット内の水溜まりはロードセルの水没故障に繋がるため、排水ポンプの作動を確認します。ポータブル式も水没は避けるべきです。
目視による確認:ボルトの緩みやケーブルの損傷など、目視で異常がないかチェックします。

専門家による定期的なメンテナンス
・法定検査(定期検査):2年に1度の法定義務は、専門家による総合的な状態チェックの機会でもあります。

・自主検査・オーバーホール:法定検査のない年に専門業者による「自主検査」や「オーバーホール」を実施することも推奨されます。ピット清掃やグリスアップなど、専門的な整備で性能を維持します。

日々の丁寧な使用と定期的なケアが、予期せぬトラブルを防ぎ、スケールの寿命を延ばします。

まとめ

最適な一台を選ぶための重要なポイントは以下の3つです。
①用途の明確化:「取引・証明」に使うか?
公式な「取引・証明」には検定付きの設置型が必須です。一方、「過積載の自主チェック」や「社内管理」なら選択肢は広がります。

②設置場所の制約:スペースと工事は可能か?
十分なスペースや大掛かりな基礎工事が難しい場合、設置型は現実的ではありません。

③予算の考え方:「総導入コスト」で比較する
設置型は本体価格に高額な「基礎工事費」が加わります。初期投資を抑えたいなら、総導入コストでの比較が不可欠です。

これらの点から、「取引・証明以外の用途で、設置場所や初期コストに制約がある」場合、ポータブルトラックスケールは非常に合理的な選択肢です。基礎工事不要によるコストと導入スピード、移設可能な柔軟性は、従来の課題を解決します。
私共、共栄計器では、高精度なポータブルトラックスケール「PTSシリーズ」を業界最安値クラスでご提供しています。
「どのモデルが最適か?」「実機を試したい」といったご要望には、専門スタッフによるご相談や、無料の「出張お試し体験デモサービス」で対応いたします。
トラックスケールに関するご不明点は、どうぞお気軽にお問い合わせください。最適な一台を共に見つけるお手伝いをいたします。

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当店では、お客様お一人、お一人のトラックスケールについてのご要望・ご質問に誠意を持って対応させて頂きます。
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